バギールのブランド経営

バギールは東京六本木で販売され始めてからまだ1年もたっていませんが、注目度は高く人気が高まっています。
バギールはメンズスーツ・ブランドとして、1961年にイスラエルで創立、CEOはオファー・ギルボア(Ofer Gilboa)氏。販売は本国イスラエルはもちろんアメリカ、イギリス、ドイツ、スイス、トルコの他、日本では2007年、六本木にアジア初のショップがオープンしています。バギールは、これまで小売専門店とのタイアップ中心だったので旗艦店を持ちませんでしたが、アジア進出の拠点として日本とイスラエル合資のバギール・ジャパンを設立し、六本木に海外初のフラッグシップをオープンしたものです。ファッション界ではメンズスーツのブランドとして、日本上陸前から知る人ぞ知るのブランドでしたが。
バギールブランドの企画室はロンドン、ニューヨーク等に置かれ、これまでの生産基地はウクライナ、トルコ、エジプト、ヨルダン、中国、ベトナムにあり、年間生産量は上着類125万着、パンツ類300万着で、2005年の売上高は1億2,710ドルに達しています。イスラエルから地球規模で展開する生産販売戦略は、素材開発から企画、生産まで一貫したラインを敷くことによって、世界を視野に入れた革命的なスーツ製造という位置づけで展開されているものです。
OEM生産も行っていて、OEM生産先には、イギリスのマークス&スペンサー(Marks and Spencer)、アメリカのJCペニー(JCPenney)、ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)、ザ・リミテッッド(The Limited)があります。バギールは自社工場をもったブランドなので、バギールも世界各国の大手小売会社のOEM生産をしています。
21世紀のスーツ革命を目指して最新のテクノロジーを取り入れ、リサイクル可能な素材を使用したブランドコンセプトは、着て楽しく、気持ち良く、環境に優しく、です。
バギール六本木店の場所は、六本木交差点を乃木坂方面へ向って、右に六本木ミッドタウンを見ながら左に入った国立新美術館の近くにあります。近くに出かけることがあれば立ち寄るのに便利なところです。外観もユニークで、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」のイメージ、宇宙船のような外観が六本木ミッドタウンの中でも目立っています。
バギールジャパン代表取締役社長は加賀美由加里氏
住所:東京都港区六本木7−3−12−1A
電話:03−5787−7080
営業時間:12:00〜20:00(不定休)

バギールのブランドコンセプト

バギールのブランドコンセプトはオフィシャルホームページから鮮明にイメージされます。
バギールのホームページはブランド・コンセプトのイメージ訴求タイプです。写真と2種類の動画によるもので、日本語の説明紹介はありません。詳細は英語ページに飛ぶようになっています。しかしイケメンいっぱいの動画は見ごたえがあります。ブランドコンセプトはしっかりインプットされてしまいました。紹介します。
バギールホームページ http://www.bagir.jp/
バギールスーツを着たイケメン社員いっぱいのオフィスで、バスケットボールが始まりました。すでにここからイタリアンテイスト。格好いいです。伸縮性がアピールされてビジネススーツの窮屈さがありません。まるで皺を気にしない体操服。皺どころか自宅の洗濯機でも洗えてしまう気軽さですから。
Feel the freedom of ultimate Comfortというコンセプトですから、バギール・スーツの彼ら、着たまま動く、動く、ボールのパスも自由自在、プロ選手かも、と思いきや、あ〜あ、オフィスの仕切りガラス割っちゃった・・・
そこに女性上司・・・信じらんない・・・
See the sharp Design のロゴが浮き沈みながら、背景でバギールスーツのままの鉄棒体操。
Enjoy the Breathability とExperience the Lightness のシーンでは画面を切り替えながらバレーボール。
バギール・スーツを着たままなのはもちろんです。 バギール・スーツのシャープなラインと、通気性や軽さを感じさせる構成で、これなら確かに究極の快適さですね。クールビズといってもスーツを脱がなくてよいかもしれないくらいです。バギールはビジネスの戦闘服だそうですから。
そして、Feel free with unrestricted arm movement というロゴが流れながらボクシングです。バギール・スーツのイケメンがサンドバッグに向かいます。確かに腕の動きは自由で拘束されているようには見えません。
It just feels so free. You'll forget you're even wearing A SUIT!
バギールスーツはホントに自由、スーツを着ているなんて忘れそう、ってことですね。これにデザイン性と機能性が加わってユニークな多機能性スーツとして開発されたということです。特徴のところで紹介しますが、いろいろ便利な細工が施されているんです。
型崩れせず、通気性に優れ、軽い。究極の快適さでどこにもあたらない着心地は、着ていることさえ忘れるという、バギールスーツの特徴を確かめてみました。

バギールスーツの特徴

バギールはブランドコンセプトの、着心地良く環境にやさしい、を実現するために素材の開発、選択からデザイン外観の他にも目に見えない内側部分の工夫が多彩に準備されました。既製のデザインに組み込まれているだけでなく、自分の欲しいスペックを選択して追加してもらえるオーダー注文もできます。その特色を見てみましょう。
バギールの特徴1、Breathable:スーツ自体が呼吸し通気性もあって清涼感が保たれる
バギールの特徴2、StainResistant:汚れをはじき染みにならない
バギールの特徴3、washable:自宅の洗濯機で洗えるので、汗をかいたらそのまま洗濯機へ
バギールの特徴4、Flexible:必要部分に適応素材を使用して伸縮自在の快適さ
バギールの特徴5、Tumble dry:乾燥させれば新品同様
バギールの特徴6、Highly Ventilated:抜群の通気性
バギールの特徴7、Crease Registant:ズボンの折り目がしっかり。特殊加工技術でヘビーローテーションにも耐性。
バギールの特徴8、PocketMax:隠しポケットいっぱいですがスタイルは崩れない
バギールの特徴9、Durable:テクノ素材でロングライフ実現
バギールの特徴10、RainResistant:日本の梅雨のしとしと雨ならレインコートは不要
バギールの特徴11、Moisture Management:通気性に配慮して汗をすばやく蒸発させて快適さを維持
バギールの特徴12、Space:アストロノーツ(宇宙飛行士)も使用する外気温調整機能
バギールの特徴13、Music Styele:iPodをスマートに常備できる機能
バギールの製品にはこのような特徴が複数取り込まれているのですが、これらを自分の欲しいスペックに組み替えてもらうこともできます。自分の好みに組み替えることを考えるのも楽しいですが、お店に出ているスーツを見てみましょう。
MWTDスーツの紹介から。このバギールはホームページで見たように、彼らが後のことを気にせず動いていた理由がわかるスーツです。自宅の洗濯機で丸洗いできるスーツで、ドライクリーニングはもちろんアイロンなしの画期的スーツです。3番目の洗える機能、5番目の乾燥したら新品、7番目の折り目がなくならないといった特徴を備えているので、MWTD、Machine Washable Tumble Dryスーツと呼ばれます。洗濯にはドライクリーニングを避けて、自宅の洗濯乾燥機を使えるようにしたのもバギールのブランドコンセプトからで、石油を使うドライクリーニングは地球環境に良くないという理由で開発されたスーツです。
バギールスーツでバスケットボールはしませんが、出張の時には重宝するかもしれません。汚れがついてこの1着しかないというピンチでも、洗濯機で丸洗い、乾いたら新品同様、そのまま着て面接OKですね。素材には自社開発の特許技術素材のライクラが4%使用されています。エリザベス女王からQueen’s Award for Enterprise Innovationを受賞しました(2003年)。
iPodジャケットの紹介。音楽好きな人や通勤時の勉強に欠かせないiPodの専用ポケットや操作ボタンがついたスーツです。iPodコネクタが胸元に付き、内ポケットに布製のボタンがとりつけられ、この布製ボタンでiPodをコントロールできます。ミュージックジックスタイルで、すっきりまとまりスマートな外観を作ります。このバギールも洗濯機で洗えるし、防シワ加工もしてあります。
エアロフレックスは、もっと便利な機能がつきました。裏地に伸縮性のある素材を使用して、ジャージのように動きやすいスーツというのはホームページ見た通りですが、袖口に隠しポケットがつきました。通勤サラリーマンにはありがたい機能で、 右袖口にスイカ(Suica)やパスモ(PASMO)等の電子カードが収納できるので、そのまま改札を通れます。シルバー光沢のあるヘリンボーン織(杉綾織)です。
機能性で変わっているのは、さすがイスラエルと思わせる防弾チョッキ付きジャケットです。9o口径の銃弾に耐える防弾スーツだそうですが、日本では実用的ではないでしょうね。軽いそうですが。
バギールの服には、このほかにも内ポケットに差したペンのインクが漏れても、布地には染みない工夫など隠れた楽しい機能があってワクワクするほどです。
このように新素材を駆使した多彩な機能の背景には、環境への配慮が考慮されています。
素材には再生可能な繊維原料が使われ、たとえば100%の有機綿や竹、ボタンには象牙ヤシなど、また再利用のポリエステルを使ったジャケットは、もう一度ポリエステル素材に還元できるといったリサイクル指向です。
リサイクルジャケットも呼ばれるのはこのためで、21世紀のスーツ革命を目指したいと言うオファー・ギルボア氏の信念が浸透しているためです。
最新のテクノロジーと環境への配慮は、エレガントで細身の普通のビジネススーツに見えるデザインのバックで企画、素材の段階から主要なテーマとして生きているのです。
軽く、伸縮性があり、小さく折りたたんでも皺が無い、通気性にもすぐれているので湿気のある日本の夏でも快適に乗り切れそうなバギールのビジネススーツは、これまでの窮屈で暑苦しいスーツイメージから離れた新しい分野といえるほで新鮮な印象を与えています。

Copyright © 2008 バギール(メンズスーツ)イスラエル発